中学校向け・芸術鑑賞会&合唱指導レポート
中学校の芸術鑑賞会と合唱指導を一度に|茨城県つくば市・吾妻中学校&秀峰筑波義務教育学校での実践レポート
茨城県つくば市で、今年も2校の中学校にお招きいただきました。つくば市立吾妻中学校と、秀峰筑波義務教育学校(7・8・9年生)です。3名のプロ演奏家による芸術鑑賞会と合唱指導をセットで実施した事例を、先生方にイメージしていただきやすいようにまとめました。
文化庁事業と学校予算を組み合わせた「続いていく芸術鑑賞会」
今回お伺いしたのは、茨城県つくば市にある
つくば市立吾妻中学校 と 秀峰筑波義務教育学校(7・8・9年生) の2校です。
両校とも、バリトン歌手 安田旺司、ソプラノ歌手 片岡未希子、ピアニスト 松田みゆき の3名が伺い、
芸術鑑賞会(コンサート)と合唱指導(合唱の授業)をセットで、各校5日間ずつ 行いました。
吾妻中学校は今年で3年目。1年目は
文化庁「芸術家派遣事業」 の助成金を活用して実施されました。生徒たちの反応や保護者の方の感想がとても良く、
「クラスづくりにとても良い」という評価から、2年目・3年目も形を変えながら継続しています。
秀峰筑波義務教育学校は今年で2年目。1年目は学校独自の予算で実施し、2年目の今年は文化庁の芸術家派遣事業に申請・採択されての実施となりました。
「一度学校予算で試し、反応が良ければ次年度は文化庁事業も視野に入れて継続する」という流れは、
中学校の芸術鑑賞会と合唱指導を長期的に充実させたい先生方にとって、ひとつのモデルケース かもしれません。
吾妻中学校|ノバホールでの紫苑祭と連動した5日間プログラム
吾妻中学校では、市内のノバホールで行われる合唱祭「紫苑祭」に向けて、芸術鑑賞会と合唱指導を組み合わせた5日間のプログラムが組まれました。
初日は体育館での芸術鑑賞会。安田・片岡・松田の3名によるコンサートに、学校の音楽教員がサックス奏者としてセッション参加してくださり、会場はいっそう盛り上がりました。
学校ニュースでは、次のようなタイトルで紹介されています。
紫苑祭にむけて、プロの演奏家による芸術鑑賞会と合唱レッッスンがありました!
昨年も感動を呼んだ、バリトン歌手の安田さん、ソプラノ歌手の片岡さん、ピアニストの松田さんによる素敵なコンサートが開かれました。
コンサートの最後には、生徒たちも一緒に踊ったり歌ったりと、プロの皆さんと音楽を「共につくる」貴重な時間を過ごしました。
コンサート後は各学年の「学年合唱」へのレッスン、さらに翌日以降は「学級合唱」の指導へとつながっていきました。
別日の学校ニュースには、
指導を受けた生徒は成長を実感しているようで、前向きに練習する様子がみられました。
3学年が互いの曲を聴き合うことができ、生徒たちにとっても、いい刺激をもらえた会になりました。
と記録されており、芸術鑑賞会と合唱指導が、学校行事とクラスづくりの核になっている様子 がうかがえます。
最終日はノバホールでの紫苑祭本番。5日間の初日に体育館で聴いたのと同じ曲を、今度はホールの響きの中で体験しました。
生徒たちは、
- 場所によって音の聴こえ方がこんなに違うこと
- 声とピアノの響き方が変わること
を自分の耳で確かめながら、「耳で学ぶ芸術鑑賞会」 として、合唱祭へとつなげていきました。
今年は、実行委員の生徒たちから
「聴くだけではなく、僕たちも安田さんたちと一緒に何かを作り上げたい!」
という声が上がり、保護者の方へのサプライズとして2曲を共演するステージも実現しました。
「プロの演奏を鑑賞する行事」から、「プロと一緒に作り上げる行事」へ と進化しつつある取り組みです。
質問が止まらない合唱レッスン|メールに続いた“合唱なんでも相談”
吾妻中学校では、3年にわたる関わりの積み重ねもあり、今年は生徒たちからの質問が例年以上に多く、授業時間だけでは足りないほどでした。
そこで、授業後には 「メールでの合唱Q&A」 という、少し大人なやり取りも生まれました。
実際に届いた質問の一部をご紹介すると、次のようなものがありました。
- パート間のバランスを取る時に、良い練習方法はありますか?
- テンポが速くなる部分のテンポ感がつかめません。どうしたらいいですか?
- 「おなかから声を出す」って、どんなイメージですか?
- 地声と裏声の切り替えのタイミングや方法が分かりません。
- 高いところ・低いところで声割れや震えが出ます。どう改善すればいいですか?
こうした質問に対して安田は、テクニックだけにとどまらず、イメージや心の持ち方も含めて、一つひとつ丁寧に返信しました。
たとえば、
- バランスについては「歌っている本人だけで判断せず、聴いている人や指揮者に教えてもらう」「録音して客観的に聴く」こと
- テンポについては「つかめるテンポから始め、少しずつ上げていく。無理やりつかもうとしない。丁寧に、超丁寧に」
- 「おなかから声を出す」は「お腹がピッチャー、おでこがキャッチャー。息がボール」というイメージで説明
- 高音・低音での声割れには「その音に合った息の量・心の状態になっているか」を一緒に確認すること
- 地声と裏声は「たくさん失敗して、成功の頻度を少しずつ上げていく。失敗を懐かしく思えるようになったら成長の証」
このように、芸術鑑賞会の日だけで完結させず、その後の合唱練習や“自分の声との付き合い方”にまで学びが続いていく のが、このプログラムの大きな特徴です。
秀峰筑波義務教育学校|7〜9年合同コンサートとクラス合唱指導
秀峰筑波義務教育学校では、7・8・9年生合同によるコンサートと、各クラスの合唱指導を行いました。
学校だよりには、次のようなタイトルで紹介されています。
プロの演奏家による音楽指導♪
今年度もプロの演奏家である安田旺司先生、片岡未希子先生、松田みゆき先生を講師としてお招きして、7・8・9年生合同によるコンサートが開かれました。
普段、なかなか聴くことができないプロの演奏家の演奏を近い距離で聴くことができました。生徒たちは、プロの演奏に惹きこまれるように聴き入っていました。
コンサートのあと、3人の講師の先生方から、各クラスの合唱指導もしていただきました。11月の秀峰祭合唱コンクールに向けて、各クラス一生懸命練習していきます。
「プロの歌声に惹きこまれる体験」から、「自分たちの合唱に生かす時間」へ。
芸術鑑賞会と合唱指導が、一つの流れとして設計されている様子が伝わってきます。
安田旺司の合唱指導の考え方|「なぜ歌うのか」から一緒に始める
安田が中学校で大切にしているのは、単に「上手に歌う」ためのテクニックだけではありません。
- どうして歌うと楽しいのか
- なぜこの言葉を、このメロディーで歌うのか
- 「お腹から声を出す」「心をこめて歌う」とは、具体的にはどんな状態なのか
こうした、言葉にしにくいけれど本当はみんなが知りたい核心部分に、ゆっくりと近づいていきます。
授業では、
- もっとも簡単で、もっとも難しい「伝わる歌」とは?
- 心を込める方法って、本当にあるのかな?
といった問いを投げかけながら、生徒自身が気づき、疑問を持ち、探していけるように対話していきます。
その結果、クラスの空気がやわらかくなったり、普段は声を出しづらそうな生徒が少しずつ前向きに歌い始めたり、指揮者やパートリーダーの言葉が以前より届きやすくなったりと、
クラスづくり・学年づくりの面でも変化が生まれていきます。
吾妻中学校からは、来年度のご依頼もすでに決定しています。毎年同じメンバーが伺うからこそ見えてくるクラスの変化、学年の成長があり、
学校と演奏家とのあいだにあたたかい信頼関係が育ってきました。
中学校の先生へ|こんな学校におすすめです
次のようなお悩みをお持ちの先生方に、今回のような「芸術鑑賞会+合唱指導セット」のプログラムは特におすすめです。
- 芸術鑑賞会を「聴くだけ」の行事ではなく、合唱コンクールやクラスづくりに直結する学びの場にしたい
- プロの声楽家に、中学生の声・合唱の悩みを直接見てもらいたい
- ホールや体育館での本番と、事前の合唱クリニックをセットで考えたい
- 文化庁「芸術家派遣事業」などを活用しながら、中学校の芸術鑑賞会を充実させたい
安田音楽制作事務所では、
1日完結の芸術鑑賞会、数日にわたる合唱クリニック型、合唱祭と連動した5日間のプログラム など、
学校の規模・ご予算・合唱コンクールの日程に合わせて柔軟にご提案いたします。
中学校の芸術鑑賞会と合唱指導をセットでお考えの先生は、どうぞお気軽にご相談ください。
生徒たちの「歌う楽しさ」と「クラスの絆」を、先生方と一緒に育てていきます。




































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