世界遺産仁和寺での出張演奏レポート|安田旺司が提案した「寺院×ケア×音楽」3つの特別企画とは
2025年11月、世界遺産・仁和寺で開催された「寺ケア2025 omoiyari&フェムテック in 京都」にて、安田旺司は3つの音楽企画(宸殿での開幕式奉納演奏/北庭でのサプライズ歌唱/観音堂特別拝観「響縁の奏」)を提案・実施しました。
本記事では、単なるイベントレポートではなく、「安田旺司がどのように現場を見て、どのように出張演奏の企画を組み立てているのか」をお伝えします。寺院・ホテル・企業イベントでの上質な生演奏をご検討中の方に、私たちの仕事の一端が伝われば幸いです。
世界遺産で「ふさわしい音」を探すことから始まる出張演奏
安田音楽制作事務所(Yas-On)は、ホテルパーティーや企業イベント、学校公演などでの
出張演奏を専門とする音楽制作チームです。
2025年11月3日〜9日にかけて世界遺産・仁和寺で開催された
「寺ケア2025 omoiyari&フェムテック in 京都」では、
- 宸殿での開幕式奉納演奏
- 北庭でのサプライズ歌唱
- 観音堂特別拝観「観音堂 響縁の奏 ― 音楽による心の共鳴と感性の対話」
という3つの音楽イベント企画の立案と実施を担当させていただきました。
世界遺産の寺院での演奏は、平等院鳳凰堂・醍醐寺に続き、今回が3箇所目。
これまでの2つは「演奏のみ」を依頼される形でしたが、
仁和寺では「どんな演出と音楽が、門跡寺院にふさわしいか」を
ゼロから考えるところからの参加となりました。
この貴重な機会をくださったのは、イベント主催の
株式会社MIWAIKEHATA 代表・池端美和さん。2018年に企業家クラブの同期として出会って以来、
共に学び合ってきた仲間です。7月に池端さんからお声がけをいただき、
本番まで約3か月というスケジュールで動き始めました。
まず行ったのは、仁和寺へのロケハンです。初めて境内に立った印象は、
私が11年間暮らしたローマのサン・ピエトロ寺院にも通じるスケール感。
寺社で演奏する機会は多くありますが、その中でも仁和寺は特別な空気をまとっていました。
・寺院の「祈り」の時間を壊さず、むしろ深める演出は何か
・一般拝観の方にも負担をかけずに、音楽を届ける方法はあるか
こうした視点で境内を歩きながら、「場所ごとに似合う音」を丁寧にイメージしていきました。
滋賀・山王総本宮日吉大社では、これまでに20回の奉納演奏と音楽イベントを企画してきました。
寺院や神社での出張演奏において大切なのは、
「音楽が主役ではなく、場と祈りが主役であること」。
その距離感をどれだけ繊細にデザインできるかが、成功の鍵になると考えています。
宸殿での開幕式音楽奉納|静かに場を整える出張演奏

通常非公開の宸殿で、関係者35名のためのオープニング
初日の11月3日は、通常は入ることのできない宸殿で行われた
開幕式における音楽奉納からスタートしました。参加者は主催・共催・関係者の皆さま、
約35名。クローズドな式典です。
演奏を担当したのは、
- バリトン:安田旺司
- 弦楽四重奏:安田音楽制作事務所専属「SAKURA弦楽カルテット」
朝8時からリハーサルを開始し、11時の開幕にあわせて響きや座席配置を丁寧に確認しました。
宸殿の中の間の下手側にSAKURA、中の間の上手側に主催者さま、
その手前の下の間にはその他のご関係者が座られる構図です。

宸殿は決して明るい空間ではありませんが、障子越しにやわらかな陽が差し込み、
静かな緊張感と温かさが同居する独特の雰囲気に満ちていました。
G線上のアリアで「心のスイッチ」を切り替える
全員のご着席を確認したあと、まずは「G線上のアリア」を
約5分間、静かに丁寧に演奏しました。
ここで私たちが意識したのは、
「今日は特別な時間が始まる」という心のスイッチを、音楽でそっと押すこと。
― 開幕式で大切にしたコンセプト
大きく盛り上げるのではなく、日常から祈りの時間へと、静かに場を移行させる役割としての演奏。
これもまた、出張演奏ならではの「場づくり」の一つだと感じています。
声だけで届ける「You Raise Me Up」と、舞とのコラボレーション
主催・共催の皆さまへのご挨拶のあと、私はア・カペラで「You Raise Me Up」を奉納しました。
伴奏のない歌声だけの数分間は、宸殿の静けさとまっすぐ向き合う、特別な時間になります。
続いてSAKURAによる「パッヘルベルのカノン」。
和の空間にクラシックの和声を溶かし込み、畳へ染み込んでいくような響きを目指しました。
三曲目は、日本舞踊 葉月流二代目家元・葉月雛丸さんと、
ドビュッシー「月の光」のコラボレーションです。
舞と弦楽四重奏、そして宸殿そのものが一体となる瞬間を、参加者全員で共有できたように思います。
終演後、主催の池端美和さんからは、
「本当に素晴らしい演出でした。開幕式の音楽が大好評で、たくさんのメッセージをいただきました。」
― 寺ケア2025 omoiyari&フェムテック in 京都 主催・池端美和さん
「決して荒立てず、そっと寄り添う」出張演奏のスタイルが、
門跡寺院にも受け入れていただけたことに、大きな手ごたえを感じた瞬間でした。
北庭でのサプライズ歌唱|誰でも参加できる4分間の無料出張演奏

五重塔を背景にした一発勝負の「You Raise Me Up」
二つ目の企画は、11月8日15時に行った仁和寺北庭でのサプライズ歌唱です。
このプログラムは事前告知をいっさい行わず、
たまたま仁和寺を拝観されていた方々に音楽を“プレゼント”するイメージで企画しました。
歌った場所は、宸殿から北庭を眺めたときに見える、池の向こうの小高い丘の上。
背後には五重塔が見える、まさに仁和寺を象徴するロケーションです。ここで、再び「You Raise Me Up」を音源伴奏に合わせて歌いました。
仁和寺からは、
という条件付きで、お許しをいただきました。
音響は、丘の裏側にYAMAHA STAGEPAS 1Kを設置し、大型モバイルバッテリーで駆動。
私はワイヤレスピンマイクをつけ、音量は「庭園の静けさを壊さないギリギリのライン」を、
これまでの経験と現場勘で決めました。
この企画にリハーサルはありません。完全な一発勝負です。
それでも思い切って挑戦できたのは、これまで日本各地・さまざまな会場で歌ってきた
「現場感覚」があったからこそだと思います。
池の滝音と風が混じり合う「唯一無二の音」
突然どこからか歌声が聞こえてきて、最初は皆さん驚かれます。
それでも曲が進むにつれて、池越しに丘を見上げ、立ち止まって耳を傾けてくださる方が増えていきました。
歌い終えると、庭のあちこちから自然に拍手が起こり、あたたかな空気に包まれました。
印象的だったのは、池に流れ落ちる滝の音や風の音、小鳥の声が、
演奏に自然とミックスされていったことです。音源と生の歌声、そして自然音が溶け合い、
「この瞬間にしか生まれない音」になりました。
この北庭でのサプライズは、
- 事前告知なし
- だれでも無料で聴ける
- 拝観の妨げにならない時間と音量
という条件のなかでつくり上げた、
思いやりを前面に出した出張演奏です。
開幕式・観音堂と比べて、もっともカジュアルに「音楽との偶然の出会い」を
楽しんでいただくことができたと感じています。
観音堂「響縁の奏」|音楽による心の共鳴と感性の対話

コンサートではなく「特別拝観」としての出張演奏
三つ目の企画は、最終日11月9日に行った
「観音堂 響縁の奏 ― 音楽による心の共鳴と感性の対話」です。
通常非公開の観音堂に40名様限定でお入りいただき、
千手観音菩薩立像と堂内の空間を、音楽を通して体験していただく有料の特別拝観として設計しました。
出演は、
- 歌:安田旺司
- ピアノ:小林千夏
ピアノにはグランドピアノ型の電子ピアノ Roland GP6 を搬入し、
観音堂の雰囲気を損なわないようシルエットや設置場所に配慮しました。
ここで何よりも大切にしたのは、
「これはコンサートではなく、特別拝観である」という位置づけを最後まで崩さないこと。
通常の「私語厳禁・土足厳禁・撮影厳禁」に加えて、
今回は拍手もご遠慮いただく形をとりました。
45分で10曲、日本と世界の名曲を選びつつも、
一曲一曲を「曲目」として聴くのではなく、
観音堂と向き合うための静かな“きっかけ”として置いていくイメージです。
響きを整えるための音響と、いつもの灯り
観音堂はもともとよく響く空間ですが、特別拝観用に外陣にはカーペットが敷かれており、
少し音が吸われてしまう部分もあります。そこで私はワイヤレスピンマイクを使用し、
スピーカーを観音さまの背後に設置。内陣から外陣へ、椅子に座って拝観される方々の元へ、
自然なかたちで歌声が届くように工夫しました。
照明は、特別なライトアップを追加するのではなく、
観音堂にもともと設置されている灯りだけを使用しました。
「特別な日だからこそ、いつもの観音堂であることを大切にしたい」と考えたからです。
プログラムのなかには、ここでも「You Raise Me Up」を含めました。
開幕式、北庭、観音堂――三つのまったく違うシチュエーションで同じ曲を届けることで、
イベント全体をつなぐ一本の糸のような役割を担ってくれたと感じています。
終演後には、仁和寺さまにご用意いただいたこの日特別版の御朱印を皆さまにお渡しし、
約15分後には境内のライトアップと雲海ショーがスタート。
音楽と光と雲海がつながる、一連の体験になりました。
お客様の声に表れた「寺院出張演奏」の価値
観音堂「響縁の奏」のあと、多くのお客様から感想を頂きました。
一部を抜粋・要約してご紹介します。
- 「本当に素敵な時間で感動しました。いろんな人に今回のことを話しています。」
- 「非日常体験をさせてもらって、幸せなひとときでした。」
- 「初めてのオペラが世界遺産の中での特別拝観になりました。こんな経験なかなかできません。」
- 「ある一曲で、千手観音菩薩さまの大きな愛に包まれているような感覚になりました。神社仏閣にお参りすることは多いですが、こんな感覚は初めてでした。」
- 「観音堂の中に響き渡る迫力と、包み込む優しさ。観音さまや守護のお像との共鳴を感じました。」
- 「御朱印と音楽が結びついて、一生の思い出になりました。」
- 「ライトアップと雲海まで含めて、よく考えられた企画だと思いました。」
企画の副題に掲げた「音楽による心の共鳴と感性の対話」という言葉が、
実際にお客様の体験となって返ってきたことを、とても嬉しく受け止めています。
世界遺産レベルの現場で培った企画力を、あなたの会場にも
今回の仁和寺での3つの音楽企画は、
- 宸殿での厳かな開幕式出張演奏
- 北庭でのサプライズ歌唱というカジュアルな出張演奏
- 観音堂での「拝観としての音楽」
という、まったく性格の違う現場でした。
共通して大切にしたのは、
- 会場の「格」と「空気」にふさわしい音量・編成・曲目を選ぶこと
- 主催者の想いとイベントのコンセプトを、音楽で具体的な形にすること
- お客様一人ひとりにとって忘れられない時間をつくること
安田音楽制作事務所では、
- 世界遺産・寺社仏閣での奉納演奏・特別拝観の音楽企画
- ホテルパーティーや企業記念行事でのサプライズ出張演奏
- 学校公演・芸術鑑賞会の企画・運営
など、会場と目的に合わせたオーダーメイドの出張演奏プランをご提案しています。
「うちの会場でもこんな演出ができるだろうか?」「荘厳な雰囲気を保ちながら、生演奏を取り入れたい」
そんなご相談があれば、まずはお気軽にお問い合わせください。
仁和寺での経験も含め、これまでのノウハウを総動員して、
その場所にしかない音楽体験を一緒に作らせていただきます。
寺院・ホテル・企業イベントでの出張演奏のご相談はこちら
「世界遺産レベルの現場で培った企画力を、自分たちの会場でも活かしてほしい」
「会場の雰囲気に寄り添った、生演奏の演出を一緒に考えてほしい」
そう感じていただけましたら、ぜひ一度ご相談ください。
演奏内容・編成・ご予算など、目的に合わせてご提案いたします。





































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